関税削減!!FTAの観点からベトナムの生産拠点はありか?
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ベトナムに生産拠点を置いた場合、どのようなFTAが活用できるのかにつき説明しました。ASEAN加盟国でもあり、TPP11のメンバーでもあるベトナムに拠点を持つことで、サプライチェーンを効率的に構築することも可能です。近々EUとのFTAも予定されており、これが実現するとさらに選択の幅は広がります。
ベトナムが締結しているFTA
・ベトナム・日本EPA:2009年10月
・ベトナム・韓国FTA:2015年12月
▶︎韓国をハブにして、ベトナム・中国からは原材料や部品を安く輸入し、韓国で製品を製造、EUや米国に販売というサプライチェーンが考えられる。韓国はEUや米国と早い段階からFTAを締結済み
韓国の締結しているFTAについてはこちらをご参照
・ベトナム・EEU FTA:2016年10月
(注)EEUとはユーラシア経済連合のことをいい、ロシア、ベラルーシ、カザフスタン、アルメニア、キルギスが含まれる
・ベトナム・チリFTA:2014年1月
・ベトナム・EU FTA:2020年初夏 もうすぐ
今までは、「ベトナム→日本→EU」といったサプライチェーンが多くみられたが、発効後は「ベトナム→EU」もあり選択肢の幅が広がる。
ASEANが締結しているFTA
ASEAN:ブルネイ・シンガポール・マレーシア・ベトナム・インドネシア・ミャンマー・カンボジア・フィリピン・タイ・ラオス
ASEAN・日本 EPA
ASEAN・インド FTA
ASEAN・韓国 FTA
ASEAN・中国 FTA
ASEAN・豪州+ニュージーランド FTA
ベトナムはASEAN加盟国であることから、上のFTA(EPA)も活用可能です。
これらを活用することでインド、中国とのFTAの道も広がるので、インド、中国でつくった半製品(部品)をベトナムで完成品にして、ベトナムで原産性を取得し、ひろくEUや他の先進国(日本・韓国)に販売するというサプライチェーンも構築できる。
ベトナムはTPP11参加国
TPP11の加盟国は、メキシコ・日本・シンガポール・ニュージーランド・カナダ・オーストラリア・ベトナム、(ブルネイ・チリ・ペルー・マレーシア)となっています。(注)()の国はまだ国内手続きが終わっいない
TPP11によって、ベトナム・カナダ間やベトナム・メキシコ間の輸出入にかかる関税は減免されるため、ベトナムで製造した製品をカナダやメキシコに販売するといったサプライチェーンの可能性があります。
まとめ
このように、ベトナム自体が単独でFTAを締結している国はまだ少ないですが、ASEANやTPP11のメンバーであることから、そちらを含めて考えると、FTA活用の幅は広がり、関税削減の可能性は大きいです。今後EUとベトナム間でFTAを発効すれば、ベトナムに生産拠点をもつことの効果はさらに大きいものとなります。
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