【10分でわかる!!】付加価値基準のお助けルール!

【10分でわかる!!】付加価値基準のお助けルール!

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 付加価値基準が使えないかもと思ったら、こちらを検討ください!!今回は、ロールアップ(「原産材料の非原産材料」は無視可能)とトレーシング(「非原産材料の原産材料」は取り込める)という救済規程について説明します。補足でロールダウン(無理して2次材料まで知る必要はない)も解説しました。

お助けルールその1:ロールアップ

ロールアップを使わないと・・・

FOB価格  100万円
 非原産材料  45万円
原産材料   30万円
➡︎ 内訳:非原産材料10万円、原産材料20万円
(労務費、製造経費、利益、その他  13万円) 
 港までの輸送費等 12万円

RVC:原産割合がFOBの55%以上あればいい(控除方式)
   ➡︎ (100-45-10)÷ 100 = 45 ≧ 55%
MaxNOM:非原産割合が(FOB-輸送費等)の50%以下
   ➡︎ (45+10) ÷(100-12)= 63% ≦ 50%

両方とも、適用できず原産品としてみなされません。しかし、、、

ロールアップを使えば・・・

FOB価格  100万円
 非原産材料  45万円
 原産材料   30万円
➡︎ 内訳:非原産材料10万円、原産材料20万円
(労務費、製造経費、利益、その他  13万円) 
 港までの輸送費等 12万円

RVC:原産割合がFOBの55%以上あればいい(控除方式)
   ➡︎ (100-45)÷ 100 = 55 ≧ 55% ⭕️
MaxNOM:非原産割合が(FOB-輸送費等)の50%以下
   ➡︎ 45 ÷(100-12)= 51% ≦ 50%

 ロールアップを使えば、RVC方式で原産品としても認められます。ロールアップとは、2次材料に非原産材料が含まれていたとしても、その2次材料を使って生産された材料が原産材料とみなされれば、30万円全体を原産材料とみなしていいという救済規定です。

お助けルールその2:トレーシング

トレーシングを使わないと・・・

FOB価格  100万円
 非原産材料  55万円
(原産材料  20万円)
(労務費、製造経費、利益、その他  13万円) 
 港までの輸送費等 12万円

RVC:原産割合がFOBの55%以上あればいい(控除方式)
   ➡︎ (100-55)÷ 100 = 45 ≧ 55%
MaxNOM:非原産割合が(FOB-輸送費等)の50%以下
   ➡︎ 55 ÷(100-12)= 63% ≦ 50%

両方とも、適用できず原産品としてみなされません。しかし、、、

トレーシングを使えば・・・

FOB価格  100万円
 非原産材料  55万円
  ➡ 内訳:非原産材料35万円、原産材料20万円
(原産材料  20万円)
(労務費、製造経費、利益、その他  13万円) 
 港までの輸送費等 12万円

RVC:原産割合がFOBの55%以上あればいい(控除方式)
   ➡︎ (100-35)÷ 100 = 65 ≧ 55% ⭕️
MaxNOM:非原産割合が(FOB-輸送費等)の50%以下
   ➡︎ 35 ÷(100-12)= 40% ≦ 50% ⭕️

 トレーシングを使えばRVC方式でも、MaxNOM方式でも原産品として認められます。トレーシングとは、1次材料が非原産材料であっても、その1次材料を生産するために用いた2次材料に原産材料が含まれている場合は、それを原産材料として扱っていいという救済規定です。

補足:ロールダウン

FOB価格  100万円
 非原産材料  45万円
  ➡ 内訳:非原産材料35万円、原産材料10万円
(原産材料  30万円)
(労務費、製造経費、利益、その他  13万円) 
 港までの輸送費等 12万円

RVC:原産割合がFOBの55%以上あればいい(控除方式)
   ➡︎ (100-45)÷ 100 = 55 ≧ 55% ⭕️
MaxNOM:非原産割合が(FOB-輸送費等)の50%以下
   ➡︎ 45 ÷(100-12)= 51% ≦ 50%

 ロールアップの逆で、ロールダウンは2次材料に原産材料が含まれていたとしても、その2次材料を使って生産された材料が非原産材料とみなされれば、45万円全体を非原産材料とみなしていいという内容です。あえてトレーシングして、2次材料の原産材料10万円を原産材料として扱わずとも、非原産材料45万円でRVC方式で原産品としてみなされるのであれば、それでもいいという事です。あくまで救済規定は権利なので、「使ってもいい」というものです。

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