メキシコ工場要注意!2020年7月 新NAFTA発効 労働規定の執行が強化されています!
新NAFTA(USMCA)では、労働規定違反の疑いがある特定の施設(工場)に対し、専門家委員会が査察を要求することが可能です。違反が認められた場合には違反施設の製品に対する特恵関税停止や輸出禁止等の罰則が科されます。なお、米国労働省はメキシコでの労働問題に懸念を示しており、メキシコ工場の労働環境について指摘を受けないような対応が企業に求められます。
新NAFTA 労働・環境規定の執行強化
影響
新NAFTA(USMCA)では労働・環境規定の違反が問われやすくなり、企業の法令遵守・管理コストが増大しています。また、労働組合の交渉力増大による賃金上昇圧力も企業に今まで以上にかかってくることが見込まれます。特にメキシコの工場で影響が大きいと思われます。
内容
新NAFTAでは、労働規定違反の疑いがある特定の施設(工場)に対し、専門家委員会が査察を要求(被提訴国は拒否可能)でき、違反が認められた場合には違反施設の製品に対する特恵関税停止や輸出禁止等の罰則が科されます。
メキシコ労働法改定
メキシコは、2019年5月、新NAFTAで求められた団結権・団体交渉権の強化等を盛り込んだ改正労働法を施行しました。
米国労働省がモニタリング
米国労働省が労働付加価値基準(LVC)の認定と労働問題のモニタリングを実施することになっております。
下記(参考)にありますように自動車輸入がUSMCAで無税扱いになるには新たに、時給16ドル以上の工場などにおける付加価値が、自動車価格全体の一定割合に達することが必要となっており、こちらのチェックを米国労働省は実施することになります。
(参考)労働付加価値割合(LVC)
平均時給(付加給付を除く)16ドル以上の北米地域での労働付加価値割合が下記を満たさないといけません。
乗用車 30%(2020年)→33%(2021年)→ 36%(2022年)→40%(2023年)
小型トラック 45%(2020年〜)
また、労働省はUSMCAで強化された加盟国における労働基準の順守状況を監視する役割も果たすことになります。彼らはメキシコでの労働問題に懸念を示しており、問題が見つかればUSMCAの紛争解決手続きを活用するとしています。
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