自由度が後退!?2020年7月 新NAFTA発効 自動車の原産地規則の厳格化!
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2020年7月、米国、メキシコ、カナダの自由貿易協定である新NAFTA(USMCA)が発効しました。注目すべきは、自動車の原産地規則が厳格化された点です。その結果、今まで原産性を認められていた自動車分野の産品でも、原産材料の割合によって今後認められなくなる可能性がありますので、再度検証ください。
NAFTAとは?
北米自由貿易協定(NAFTA)は、アメリカ合衆国、カナダ、メキシコによって署名され、北アメリカにおいて3か国による自由貿易協定です。米加自由貿易協定の後継として、1994年1月1日に発効しました。今回の米国・メキシコ・カナダ協定(新NAFTA=USMCA)が2020年7月1日に発効したことによりNAFTAは終了しました。
新NAFTA(USMCA)とは?
以下3つの特徴をもっています。
・農産物・工業製品・労働条件・電子商取引などを含む幅広い範囲を含む
・アメリカの酪農家にカナダ市場へのより多くのアクセスを与えること
・自動車の製造における、3国間で製造される割合を増加させること
今回は特に3つめの自動車分野の原産地規則が厳格化された点に注目し、下記にて詳細を説明します。
自動車分野の原産地規則が厳格化
対象となる自動車関連の産品
完成車 ▶︎乗用車・小型トラック
基幹部品(15品目) ▶︎エンジン、リチウムイオン電池等
主要部品(53品目) ▶︎タイヤ、ガラス、ブレーキ等
補完部品(28品目) ▶︎測定装置、配線セット等
自動車関連の域内原産割合の増加推移
完成車 66.0%(2020年)→69.0%(2021年)→72.0%(2022年)→75.0%(2023年)
基幹部品 66.0%(2020年)→69.0%(2021年)→72.0%(2022年)→75.0%(2023年)
主要部品 62.5%(2020年)→65.0%(2021年)→67.5%(2022年)→70.0%(2023年)
補完部品 62.0%(2020年)→63.0%(2021年)→64.0%(2022年)→65.0%(2023年)
上記の通り、完成車や自動車部品の種類に応じて2020年から2023年にかけて毎年域内原産割合が上がっていきます。したがって、今まで原産性が認められ原産地証明書を発効して関税の減免を受けていた場合であっても、求められる域内の原産材料の割合の上昇により原産性が認められなくなる可能性がありますので、再度検証ください。
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