米国のコロナ対策! 関税90日間支払猶予されます!!対中制裁関税は対象外
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2020年4月20日、米国は輸入業者やメーカーの一部関税の支払いを90日間猶予すると表明しました。ただし、対中関税や鉄鋼・アルミニウム関税、エアバスに対して講じた措置は非対象なので注意してください。
目次
米国は一部の関税支払いを90日間猶予
米国は、輸入業者やメーカーの一部関税の支払いを90日間猶予すると表明しました。しかしながた、反ダンピング関税や相殺関税、1974年通商法201条、301条と1962年通商拡大法232条に基づく措置は関税支払い猶予の対象外となります。従って、対中関税や鉄鋼・アルミニウム関税、エアバスに対して講じた措置は非対象ですので注意ください。
また、ホワイトハウスの経済顧問ラリー・カドロー氏によると、米国が特定の関税支払いを一時的に停止するのは、コロナウイルス危機のために流動性の問題に直面している小売業などの産業を支援することが目的とのことです。
今回の措置によって、猶予された期間は利子が免除されます。
鉄鋼・アルミニウム関税は対象外
2018年3月、米国は、鉄鋼、アルミニウム製品に追加関税(鉄鋼25%、アルミ10%)を課しました。これにより、中国を含めたほとんどの国が対象となっています。
対中関税は対象外
こちらの米国の対中関税制裁の概要ですが、こちらの対象となっている関税も今回の90日間の支払い猶予の対象外です。
米国のエアバス関連のEU向け報復関税も対象外
WTOは2019年10月、エアバスに対するEUの補助金は違法としました。それをうけて、米国は75億ドル相当の欧州製品に輸入関税をかけることを承認し、航空機に10%、ワインやチーズなど農産品や工業品に25%を上乗せしている。
こちらも今回の90日間の関税支払猶予の対象外です。
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Author:S.I 投稿一覧
2002年筑波大学国際関係学類卒業後、空気圧機器の世界トップメーカーであるSMC株式会社入社。働きながら中央大学の社会人向けビジネススクールに通い2014年3月にMBA取得。2018年までの16年間、当該メーカーにて国際税務(特に移転価格)の経験を積み、多国籍企業の法人税節税に貢献(2018年7月に当該メーカーを退社)。国際税務を担当する中で、多くの企業が関税を無駄に払っている現実に直面。この問題を解決する一助として、独学でプログラミングを習得し、HSコードや関税率を簡単に検索できるサービス「HS CODER」https://hs-coder.com/ を公開、現在運営中。更なるサービス拡大を目指し、2018年10月株式会社ワッグワックを創業。また、2022年2月にフォワーダーのための関税削減アプリhttps://lp.tarifflabo.com/ を開発、公開。現在に至る。