米国による対中追加関税リスト4の発動が2019年9月1日から!?
2019年9月1日から更なる米国による対中追加関税の可能性
トランプ米大統領は自身のツイッターで、リスト4に記載された3,000億ドル相当の中国からの輸入品(中国原産)に対して、9月1日から10%の追加関税を賦課することを表明しています。
現時点で25%の追加関税が賦課されている2,500億ドル相当の輸入品と合わせた場合、これで中国原産のほぼ全ての輸入品が追加関税の対象となったことになります。
更なる対中追加関税の背景
今回の追加の報復的な対応の背景には、中国は約束した米国の農産品の購入拡大と、米国でのフェンタニル(麻薬性鎮痛薬で)の販売停止を履行していないことをツイッターで示唆している。
一方、次回の米中協議は9月上旬にワシントンで行う予定となっていたものの、トランプ大統領は中国との貿易交渉をめぐって9日、「合意する準備はできていない」と述べ、来月上旬に予定されている閣僚級交渉を見送る可能性もあるという考えを示しています。このように米国と中国の関税戦争の行方は未だ不透明です。
「リスト4」の内容
今回の追加関税で、対象となる品目は、米国当局(USTR)が5月13日に公表した「リスト4」です。「リスト4」には、携帯電話やノートパソコンを含む機械機器、玩具・スポーツ用品、縫製品、履物など消費財が6割以上を占める可能性もあり、米国内での消費の影響も心配されている。
中国というカントリーリスク
今回の米中の関税戦争に限らず、やはり、中国だけに生産拠点を置いているのは非常にリスクが高いと思います。
やはり、中国の政治体制はご存知の通り共産党による一党支配でありますので、いろんな施策が民間企業への配慮なくドラスティックに変更されてしまうリスクを多分に含んでいます。中国に進出されている企業の方はよくご存知かと思いますが、北京市の環境問題対策から、かなり厳しい基準を満たさない限り北京市内での製造が禁止され、郊外へ追いやられるといったこともございます。
従いまして、そういった観点からも海外の生産拠点は複数持つ、あるいは中国よりカントリーリスクの少ない国を探すことも重要です。ちなみに北京市は、一般工職の賃金が2002年の121ドルから、2017年には746ドルと約7倍になっています。したがって、以前のように安い賃金を求めて中国で生産という時代では無くなって来ています。
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