半年間通関申告猶予!!イギリスは2021年1月から6月までEUからの輸入につき通関緩和措置をとります
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2021年1月から6月までは、EUからイギリスの通関申告は猶予されます。なお、2021年7月からは、EU域外からの輸入と同様の通関手続きが必要になります。今後EUとイギリスでFTAが締結されたとしても、今までと異なり通関手続きは必ず必要になりますので注意してください。
イギリス 2021年1月から新関税率 UKグローバル・タリフが適用されます
既に5月に2021年1月から適用されるイギリスの対外共通関税率は公表されています。特にイギリスとの間でFTA(EPA)が締結されない限り、今後はこちらが適用されます。
UKグローバルタリフの特徴
・現在英国が適用しているEU対外共通関税率で2.5%以下は、関税を撤廃
X<20% ▶︎2.5%刻み
20%≦X<50% ▶︎5%刻み
X≧50% ▶︎10%刻み で切捨
例:19.2%▶︎17.5% 48%▶︎45%に
68%▶︎60%に
・農産品への課税体系も簡素化
・原材料・半製品の関税撤廃
▶︎国内で生産される物品の主な原材料・部品・半製品などの関税を撤廃
・国内生産が少ない物品の関税撤廃
▶︎国内で生産していない(生産量が限られる)物品は関税を撤廃
イギリス EUからの輸入について半年間通関申告猶予
通関緩和措置の内容
イギリスのEU離脱の移行期間が2020年12月31日で終了します。それまでは、EUからの輸入についてイギリスでは通関手続きが不要でしたが、2021年1月から必要になります。ただ、イギリスはEU離脱に基づく移行期間終了後の2021年1月1日から半年にわたり、EUからの輸入手続きを簡素化する決定をしました。
具体的には、輸入通関申告手続きを最長6カ月間猶予し、関税の支払いも通関申告時まで繰り延べられます。その後2021年7月からはEU域外からの輸入と同様の通関手続きを要求される見込みです。
通関緩和措置の背景
新型コロナウイルス感染拡大による企業活動停滞などもあり、移行期間後すぐに国内企業が通関実務に対応するのは困難とイギリス政府は判断しました。これは、現在交渉中の英EU間の自由貿易協定(FTA)が締結されて無関税の貿易が継続できたとしても、通関手続きは必須となるため緩和措置導入へ踏み切りました。
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