最も低い関税率を適用するためのステップ
実は…関税率はどれを適用するのか、その優先順位が複雑です。
以下では、出来るだけシンプルにまとめてみました。
関税率の種類
①国定税率(a基本税率 b暫定税率 c⭐️特恵税率(一般・特別))
②WTO税率
③⭐️EPA税率(RCEP等)
⭐️原産性の証明必要
関税率適用の優先順位
特恵税率orEPA税率(特恵>= EPA ならば EPA優先)
↓
暫定税率orWTO税率(暫定>WTO ならば WTO優先)
↓
基本税率orWTO税率(基本>WTO ならば WTO優先)
となります。
とにかく特恵が一番優先です。その上でRCEPなどEPA締約国からの輸入であれば、EPAと比較検討して低い方を適用してください(但し、どちらであっても原産地証明書が必要です)。
特恵もEPAも適用できない場合は、暫定税率があるか?あればWTOと比較検討して低い方。暫定もなければ、基本とWTOでどちらが低いかです。
ただ、暫定は無い事がおおい、WTOは基本より低いので、実務的には、特恵とEPAの適用を検討して、なければWTOというケースがほとんどです。
上の検討の流れを、Yes /Noチャートにまとめました。こちらを使えば、一番低い関税率はどれになるのか辿り着きますのでご活用ください。
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Author:S.I 投稿一覧
2002年筑波大学国際関係学類卒業後、空気圧機器の世界トップメーカーであるSMC株式会社入社。働きながら中央大学の社会人向けビジネススクールに通い2014年3月にMBA取得。2018年までの16年間、当該メーカーにて国際税務(特に移転価格)の経験を積み、多国籍企業の法人税節税に貢献(2018年7月に当該メーカーを退社)。国際税務を担当する中で、多くの企業が関税を無駄に払っている現実に直面。この問題を解決する一助として、独学でプログラミングを習得し、HSコードや関税率を簡単に検索できるサービス「HS CODER」https://hs-coder.com/ を公開、現在運営中。更なるサービス拡大を目指し、2018年10月株式会社ワッグワックを創業。また、2022年2月にフォワーダーのための関税削減アプリhttps://lp.tarifflabo.com/ を開発、公開。現在に至る。