【10分でわかる!!】日EU EPA 特殊な原産地規則と積送基準!
- 2020.02.17
- 10分でわかるシリーズ(動画付き) EPA/FTA 関税
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今回は特殊な原産地規則を2つお伝えします。まず、原産材料と非原産材料を混ざって保管している場合の原産性をどう判断するかです。2つ目は付属品や梱包材は原産性の判断に含めるのか含めないのかです。なお、このような原産地規則以外に原産性を得るために必要な条件の一つである「積送基準」についても併せて説明しました。
代替性のある材料の原産性について
以下のケースで、日本産のとうもろこしと中国産のとうもろこしを同じ倉庫で混在で保管していた場合、EUに向けて搬出された400トンの原産性はどのように判断されるでしょうか?
2月1日:日本産のとうもろこし300トン搬入
2月5日:中国産のとうもろこし500トン搬入
2月28日:EUにとうもろしこし400トン搬出
これらの混在した材料については、締約国において一般的に認められている会計原則に基づく在庫管理方式に従うことになっています。
- 先入先出法
- 後入先出法
- 平均法
上の3つが例示されるケースが多いですが、「後入先出法」は国際会計基準では採用されておらず、それを受けて日本でも採用されなくなりました(昔はされていました)。従いまして、先入先出法か平均法で考えるべきです。
先入先出法を採用した場合は、EUへ搬出した400トンの内、
300トンが原産材料(日本産)
100トンが非原産材料(中国産) となります。
先入法先出法は先に入荷されたものから出荷するとするものなので、400トンの内最初に搬入した日本産の300トンが搬出され、残りが後から搬入された中国産になります。
一方、平均法では、
150が原産材料(日本産)
250が非原産材料(中国産) となります。
こちらは、平均なので、日本産と中国産は300トン対500トンで存在しているので、400トン搬出した場合はそれぞれ、同じ比率でいくと150トン対250トンとなります。
付属品や梱包材の扱い
- 附属品・予備部品・工具・マニュアル
- 梱包材・容器(小売用)
- 梱包材・容器(輸送用)
基本は上記は原産性の判断において考慮する必要はありません。但し、付加価値基準を利用する場合のみ、1と2の価額を考慮して原産割合を算出する必要があります。
なお、付属品・予備品・工具・マニュアルは以下2つの要件を満たす必要があります。
- 本体と共に納品され、インボイス(仕入書)が別立てにされていない
- 価額が、当該産品が通常販売される上で慣習的(常識的)な範囲である
積送基準
原産地規則
- 原産地規則(関税分類変更基準や付加価値基準)
- 積送基準(輸送の仕方の決まりごと)
- 原産地手続(自己申告、記録保管、検認)
積送基準の全体の位置付け上の通りです。詳細の位置付けは下図を参照ください。原則は直送です。しかし、第3国を経由した場合、以下2つの要件を満たせば、原産性は失われません。例えば「積み替え」が挙げられます
- 第3国で実質的な加工を加えていない
- 第三国税関の管理下にある
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