RCEPのPSRの付加価値基準の計算方法について(おまけ付き)
控除方式と積上方式
RCEPでの原産地証明の付加価値基準の計算方法は2つで
控除方式と積上方式があります。つまり足すか(+)引くか(−)だけの違い。
控除方式は非原産材料分を製品価格から引いて原産部分を出し、その比率を計算、
積上方式は、原産部分を足していって、原産部分の製品価格に占める割合を計算です。
って言われても原産部分って何? かと思うので、以下に積上方式の場合の足し算の中身を説明します!
積上の中身
積上方式の原産部分には、原産材料以外に
「直接労務費や直接経費、利益等」
が入ります。
生産国で人件費(工場の人件費)とか経費(国内での外注加工費等)を使って生産したらその部分は原産部分に入れるべきだよねって事。
利益含め生産国で生んだ付加価値なので😊
どちらの計算方法であっても、RCEPではFOBに対する原産割合が40%以上なら原産品でOKってなってます。
(おまけ)付加価値基準の内容はEPAによって違う
ただ、上はあくまでRCEPの場合で、実は、
「原産地規則の付加価値基準ってEPAによって内容が違う!」
のです。
例えば、RCEPは控除方式と積上方式の両方利用できますが、日EUEPAは控除方式しか使えないので注意!
その代わり、「MaxNOM方式」があります!
日EUEPAのMaxNOM方式について
日EUEPAの付加価値基準の控除方式以外の「MaxNOM方式」について説明します。
ちなみに、NOM=非原産材料の最大比率(MAX)って事
日EU EPAではそれが50%以下と記載。
大きな違いは何を100%とするか。
控除方式や積上方式の場合、全体(100%)はFOB価格で「港までの輸送費等」が含まれるが、MaxNOMは「工場出し価格」で輸送費等が含まれません。
つまり、工場出し価格を全体(100%)として非原産材料の比率が50%以下ならいいよってことです。
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