これって原産性の判断必要?
小売用の包装材料や包装容器についての原産性の判断について
詳細のFTAやEPAの規定を把握するのが前提になりますが、日本が締結している協定においては、一般的に関税番号変更基準の適用にあたっては、小売用の包装材料や包装容器の原産性については考える必要がありません。
ただし、付加価値基準においては、必要に応じて原産材料の価額として考慮できます。例えば、日・タイEPAの37条には下記のように記載されています。第37条の1は関税番号変更基準(CTCルール)について、2は付加価値基準(VCルール)を使った場合の規定です。
付属品や予備品についての原産性の判断について
こちらも正確にはそれぞれの協定を確認する必要がありますが、日本が締結しているFTAやEPAにおいては、一般的に、産品の付属品、予備部品や工具については、関税番号変更基準(CTCルール)の適用や、特定の製造もしくは加工作業が行われたか(加工工程基準:SPルール)を決定するにあたって、原産性を判断する必要はありません。
ただ、付加価値基準(VAルール)の適用については、当該産品の域内原産資格割合を判断するにあたって、必要に応じて原産材料の価額として含めることは可能です。こちらも日・タイの第36条に記載があるのでご参照ください。第36条の1は関税番号変更基準と加工工程基準について、2は付加価値基準についての説明になります。
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Author:S.I 投稿一覧
2002年筑波大学国際関係学類卒業後、空気圧機器の世界トップメーカーであるSMC株式会社入社。働きながら中央大学の社会人向けビジネススクールに通い2014年3月にMBA取得。2018年までの16年間、当該メーカーにて国際税務(特に移転価格)の経験を積み、多国籍企業の法人税節税に貢献(2018年7月に当該メーカーを退社)。国際税務を担当する中で、多くの企業が関税を無駄に払っている現実に直面。この問題を解決する一助として、独学でプログラミングを習得し、HSコードや関税率を簡単に検索できるサービス「HS CODER」https://hs-coder.com/ を公開、現在運営中。更なるサービス拡大を目指し、2018年10月株式会社ワッグワックを創業。また、2022年2月にフォワーダーのための関税削減アプリhttps://lp.tarifflabo.com/ を開発、公開。現在に至る。