RCEPの原産地規則は「締約国原産」を採用!!
原産地規則には「締約国原産」と「協定原産」があり、RCEPは「締約国原産」を採用しています。以下2つの違いを見ていきます。
RCEPの「締約国原産」とは?
物流:締約国A▶︎締約国B▶︎締約国C
上のような物流だった場合、「締約国Aで原産品になったとしても、締約国Bで原産品として認められないと締約国Cで輸入するときに関税は安くなりません」というのが締約国原産という考え方です。締約国毎に原産性の判断が必要になります。
TPPの「協定原産」とは?
なお、TPPは「協定原産」を採用しています。
「締約国原産」のRCEPと異なるので注意してください。
TPPでは、締約国内を仮想的な一つの領域と考え、「TPP原産品」は関税の撤廃・削減の対象となります。
物流:締約国A▶︎締約国B▶︎締約国C
つまり、先ほどと同じ物流であれば、締約国Aで一旦TPP原産品になれば締約国Cで輸入するとき原産性は維持されます。こっちの方が簡単でいいですね。
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Author:S.I 投稿一覧
2002年筑波大学国際関係学類卒業後、空気圧機器の世界トップメーカーであるSMC株式会社入社。働きながら中央大学の社会人向けビジネススクールに通い2014年3月にMBA取得。2018年までの16年間、当該メーカーにて国際税務(特に移転価格)の経験を積み、多国籍企業の法人税節税に貢献(2018年7月に当該メーカーを退社)。国際税務を担当する中で、多くの企業が関税を無駄に払っている現実に直面。この問題を解決する一助として、独学でプログラミングを習得し、HSコードや関税率を簡単に検索できるサービス「HS CODER」https://hs-coder.com/ を公開、現在運営中。更なるサービス拡大を目指し、2018年10月株式会社ワッグワックを創業。また、2022年2月にフォワーダーのための関税削減アプリhttps://lp.tarifflabo.com/ を開発、公開。現在に至る。