関税削減!!日英EPA交渉 最新情報 自動車とチーズ
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日英EPAは8月末の大筋合意を目指しています。英国での自動車向け関税については、日EUEPAの関税が撤廃される2026年と同じ年に日英EPAでも撤廃されるようなスケジュールに落ち着きそうです。一方、日本でのブルーチーズの輸入についてイギリスから優遇措置を要求されており、こちらは現在調整が続いている状況です。
日英EPAとは?
背景
2020年2月1日イギリスがEUを離脱しました。日EUEPAでは、移行期間として2020年12月31日までは、イギリスも継続して日EUEPAが適用されますが、それ以降は継続できません。そこで、2021年1月に間に合うよう、現在日本とイギリスでEPAの協議が進行中という状況です。なお、8月末には大筋合意を目指す予定となっています。
現状
茂木外相によると「大半の分野で実質合意し、主要論点について認識の一致に至った」とのことで、争点の1つだった英国側の自動車関連の関税引き下げや撤廃についても合意に近づいている見込です。
日英EPA 自動車について
日EU EPAでは、下記EUのスケジュール(譲許表)の通り自動車関連(HSコード8703)は8年目の2026年2月1日には関税ゼロになる見込です。
日EU EPA EU側スケジュール(譲許表)
日英EPAでは、日本から輸出する自動車にかかる関税については日EU EPAに準じてイギリスにて段階的に下げられ、2026年に撤廃する見込となっています。したがって、日EU EPAと日英EPAで自動車に関しては大きな変化はないと見込まれます。
日英EPA チーズについて
日EU EPAでは、カマンベールといったソフト系チーズは一定の輸入枠を設け、枠内分の関税を段階的に減らし16年目に撤廃となる一方、 チェダーなどハード系チーズは、枠を設けず16年目に撤廃となっています。なお、2019年度の輸入枠は、英国分を含む上限2万600トンで消化率は58%です。
日本でのチーズの輸入枠の消化率が低い状況を受け、イギリスはブルーチーズの新たな輸入枠を望んでいます。イギリスはブルーチーズの「スティルトン」が有名で、2019年度の英国からのブルーチーズの輸入量は約27トンにとどまっています。一方、日本は日EU EPA以上にチーズに関して譲歩したくない意向で現在調整が続いております。
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