【10分でわかる!!】日EU EPA 関税分類変更基準

【10分でわかる!!】日EU EPA 関税分類変更基準

動画解説はこちら!!

 付加価値基準同様によく使われる基準の一つである関税分類変更基準を最も簡単な事例で説明します。

関税分類変更基準とは?

 簡単に言いますと、関税分類変更基準とは「材料が非原産品(例:締約国外から輸入品)であっても、加工して出来上がった産品のHSコードが材料のHSコードから変わっていればいい」という事です。つまり、「HSコードが変わったのだから、締約国内で何かしらの経済活動がなされた結果、実質的に違う産品が作られた」と判断して、原産資格を認めようという考え方です。

 そもそも、FTAやEPAは締約国間の経済発展を目的に締結されるので、単純に締約国外(日EU EPAの場合は日本とEU以外の国)から日本に輸入されたパソコンをそのままパソコンとしてEUに輸出しても、それは日本で何も経済活動がなされていないので、原産資格を得る事はできず、原産地証明書を発行できません。一方、中国からパソコンの部品を輸入して日本で組み立てた場合、その部品のHSコードと出来上がったパソコンのHSコードが変化していれば、それは日本で何かしたらの経済活動がなされ実質的な加工が日本で行われたとみなし、原産資格を得ることとなります。

 ただし、、、その変化の度合いは3段階あるので、そちらは最後の章(関税分類変更基準の3つの変更)を確認ください。

簡単な事例 

ダイヤモンドの原石→ダイヤモンド(宝石)の例(日EU EPAの場合)

締約国以外の国で採れたダイヤモンドの原石のHSコード → 7202.31
一方、日本で加工したダイヤモンドのHSコード → 7202.39
変わっている!!OK!!

というものです。

関税分類変更基準の3つの変更(CC, CTH, CTSH)

 ただし、その変わり方の大きさは以下3つに分類されています。

HSコードの上2桁変更=CC(類)
HSコードの上4桁変更=CTH(項)
HSコードの上6桁変更=CTSH(号)

 HSコードの上2桁が変わればOK!という場合と、上4桁ならOK!と、上6桁が変わっていればOK!と全部で3種類あります。

 どの基準を使うかは、日EU EPAの附属書3-Bの「品目別原産地規則」に表形式でHSコードごとに定められています

 ちなみに先ほどの事例について、HSコード7202.39について「品目別原産地規則」を確認すると「CTSH」となっています。

 したがって、

HSコード 7202.31 → HSコード 7202.39 ということは上6桁で見ると変わっている!!OK!! ということです。

 もし、CTHであれば、7202→7202となり変わってないので❌になります

 同様に、CCであっても、72→72で変わってないのでこちらも❌になります。

 つまり、CTSH→CTH→CCの順で原産資格は認められづらくなります。上2桁は大分類なので、大きく産品が変化しないと認められないためです(ダイヤモンドからダイヤモンドの原石では同じダイヤモンドなので、72類(鉄鋼)の外の種類の産品になっておらず、変更度合いが弱いので❌ということになるのです)。

 なお、こちらはEPA毎に設定されますので、日EUにおいて、7202.39はCTSHだったとしても他のEPAでは同様にCTSHである保証はありませんので、EPA毎に「品目別原産地規則」を確認してください。

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