関税ゼロへ!マスクと消毒液をベトナムから輸入した場合の原産地規則

関税ゼロへ!マスクと消毒液をベトナムから輸入した場合の原産地規則

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 マスクと消毒液をベトナムから輸入した場合、関税ゼロにするために利用できるEPAは3つあります。TPP11、日ベトナムEPA、日ASEANEPAの3つから証明しやすい原産地規則を使って原産資格を得てください。それぞれの協定のマスクと消毒液の原産地規則をしらべました。

マスク・消毒液の輸入通関 ベトナムからの輸入

日本が締結している国や地域との間のEPAで原産性等の要件を満たせば、関税率は無税になります。今回は日本とベトナム間の3つのEPA(下記太字)での原産性の要件につき説明します。

シンガポール・メキシコ・マレーシア・チリ・タイ・インドネシア・ブルネイ・ASEAN・フィリピン・スイス・ベトナム・インド・ペルー・オーストラリア・モンゴル・TPP11・ EU

ベトナムから輸入する場合は、利用できる協定が日ASEAN EPA・日ベトナムEPA・TPP11と3つありますので、もっとも利用しやすい協定をご利用ください。

マスクのHSコードと関税率

一般に市販されているような使い捨ての人造繊維の不織布製衛生マスク
   HSコード 6307.90-029
   関税率:4.7%(WTO協定税率)

綿100%織物(ガーゼ)マスク
   HSコード 6307.90-010
   関税率:6.5%(WTO協定税率)

マスクの品目別規則

TPP11

類(上2桁)の材料からの変更

但し書き
51.06~51.13, 52.04~52.12, 54.01~54.02 の各項5403.33~5403.39, 5403.42~5403.49  の各号
54.04~54.08, 55.08~55.16, 58.01~58.02 の各項、
59.03, 60.01~60.06 の各項   の材料からの変更を除く

また、一又は二以上の締約国の領域において、裁断され若しくは特定の形状に編まれ又はその両方が行われ、かつ、縫い合わされ又は組み立てられることが条件となります。

日ベトナムEPA

類(上2桁)の材料からの変更

但し書き
5007、5111~5113、5208~5212、5309~5311、5407~5408、5512~5516 の各項
第60類

ただし、上記の非原産材料を使用する場合には、当該非原産材料のそれぞれがいずれかの締約国又は東南アジア諸国連合の構成国である第三国において完全に製織され、又はメリヤス編みされ、若しくはクロセ編みされる場合に限る。

日ASEAN EPA

類(上2桁)の材料からの変更

但し書き
5007、5111~5113、5208~5212、5309~5311、5407~5408、5512~5516 の各項
第60類

上記の非原産材料を使用する場合には、当該非原産材料のそれぞれが一又は二以上の締約国において完全に製織され、又はメリヤス編みされ、若しくはクロセ編みされる場合に限る。

こちら日本ベトナムEPAと日ASEAN EPAの内容は実質的に同じです。

消毒液のHSコードと関税率

一般に市販されているような消毒液
   HSコード:3808.94-000 (注)HS2002の場合は3808.40
   関税率:3.9%(WTO協定税率)

消毒液の品目別規則

TPP11

関税分類変更基準:他の号(上から6桁)の材料からの変更+有効成分の重量の50%以上が原産品

付加価値基準:域内原産割合 (a)35%以上(積上げ方式)or (b)45%以上(控除方式)

日ベトナムEPA

品目別規則に個別の記載がないため、一般ルールが適用されます。

一般ルール:関税分類変更基準:上4桁の変更 付加価値基準:原産資格割合が40%以上

日ASEAN EPA

品目別規則に個別の記載がないため、一般ルールが適用されます。

一般ルール:関税分類変更基準:上4桁の変更 付加価値基準:原産資格割合が40%以上

日ベトナムEPAと日ASEAN EPAの原産地規則の内容は同じです。

日ベトナムEPAと日ASEAN EPAの付加価値基準の計算

FOB価格  100円
 非原産材料 35円
(原産材料  40円)
(労務費、製造経費、利益、その他 13円)
港までの輸送費等 12円

RVC:原産割合がFOBの40%以上あればいい(控除)
   ➡︎ (100-35)÷ 100 = 65 ≧ 40% ⭕️
▶︎3.9%が無税へ

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