【10分でわかる!!】日タイEPA ASEAN産の材料限定の例外あり
- 2020.04.02
- 10分でわかるシリーズ(動画付き) EPA/FTA 関税
動画解説はこちら!
今回は、2007年11月に発効された日本とタイのEPAです。基本的な構成は日フィリピンEPAと同じですが、品目別規則はそれぞれHSコード毎個別に異なりますので、ご注意ください。また、ASEAN第三国産の材料を利用しないと原産性が認められないケースがあります。
原産地規則の特徴
日フィリピンEPA同様に、下記日ベトナムEPAで説明したような数字を含めた一般ルールの規程がありません。
<参考>
ベトナム
関税分類変更基準 or 付加価値基準
関税分類変更基準 上4桁の変更
付加価値基準 原産資格割合が40%以上
具体例 自動車のクラッチ 8708.93
8708.93 一般ルールに基準の数値がないので、常に品目別規則を確認する
品目別規則:8705-8708
関税分類変更基準 上4桁の変更
(参考)フィリピンは上6桁 ▶︎ このように品目別規則はEPA毎にその内容が異なるので、EPA毎に個別に品目別規則を確認する必要があります。
付加価値基準 原産資格割合が40%以上
のどちらか
FOB価格 100万円
非原産材料 60万円
原産材料 20万円
労務費、製造経費、利益、10万円
その他 2万円
港までの輸送費等 8万円
RVC:原産割合がFOBの40%以上あればいい(控除方式)
➡︎ (100-60) ÷ 100 = 40% ≧ 40% ⭕️
きゅうりの酢漬け 2001.10
品目別規則:他の類の材料からの変更
但し書き:第7類の非原産材料を使用する場合には、当該非原産材料のそれぞれが東南アジア諸国連合の加盟国である第三国において収穫され、採取され、採集され、又は完全に生産される場合に限る。
第七類:食用の野菜、根及び塊茎 例)きゅうり
ASEAN:ブルネイ,カンボジア,インドネシア,ラオス,マレーシア,ミャンマー,フィリピン,シンガポール,タイ,ベトナム
したがって、こちらも日フィリピンEPA同様に、上記ASEANで採取されたきゅうりでないと、「きゅうりの酢漬け」の原産資格を取得できません。
まぐろの缶詰 1604.14
品目別規則:他の類の材料からの変更
但し書き:第3類の非原産材料がIOTC(インド洋まぐろ類委員会)の登録簿への登録により漁獲することを認められた漁船によって得られる場合に限る
第三類:魚並びに甲殻類、軟体動物及びその他の水棲無脊椎動物
したがって、上記IOTCに登録さてている漁船で収穫した魚でないと、「まぐろの缶詰」の原産資格を取得できません。こちら日フィリピンEPAでも同様の規定があります。
その他 日タイEPAの特徴
- 証明制度:第三者証明制度
- HSコード:HS2002
- 言語:英語
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