積送基準とは?
積送基準とは
FTAやEPAで原産資格を得るためには。輸送に関しても条件があります。単純に一方の締約国から他方の締約国に直接輸送されれば問題ありませんが、そうでない場合(第3国経由)に原産資格が得られる場合の基準が決められています。積送基準は以下です。
- 一方の締約国から他方の締約国に直接輸送する。
- 積み替えまたは一時蔵置のために、第3国を経由する場合、積卸しおよび良好な状態に保存するために必要な作業以外の作業が行われないこと。
もし、上に記載の積み替えや一時蔵置以外の加工等が行われて再輸出する場合は、一方の締約国から輸出された際に産品が持っていた原産資格が失われ、輸出国の原産品ではなくなってしまいます。
日・タイEPAの事例
出典:これだけは知っておきたいEPA/FTA 要点と注意点 2016年7月1日 ジェトロ・貿易投資相談課
日・タイEPAにおいて、第3国を経由する場合、締約国の輸入側はその原産品について関税上の特恵待遇を要求する輸入者に対して、以下のいずれかの提出を要求することができます。
- 通し船荷証券の写し
- 第3国の税関当局その他の関連する主体が提供する証明書その他の情報であって、その第3国において積卸しおよび産品を良好な状態に保存するために必要なその他の作業以外の作業が当該原産品について行われていないことを証明するもの
なお、日・インドEPAでは、コンテナが開封されているなどの場合は、上記両方の提出を求められることがありますのでご注意ください。
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Author:S.I 投稿一覧
2002年筑波大学国際関係学類卒業後、空気圧機器の世界トップメーカーであるSMC株式会社入社。働きながら中央大学の社会人向けビジネススクールに通い2014年3月にMBA取得。2018年までの16年間、当該メーカーにて国際税務(特に移転価格)の経験を積み、多国籍企業の法人税節税に貢献(2018年7月に当該メーカーを退社)。国際税務を担当する中で、多くの企業が関税を無駄に払っている現実に直面。この問題を解決する一助として、独学でプログラミングを習得し、HSコードや関税率を簡単に検索できるサービス「HS CODER」https://hs-coder.com/ を公開、現在運営中。更なるサービス拡大を目指し、2018年10月株式会社ワッグワックを創業。また、2022年2月にフォワーダーのための関税削減アプリhttps://lp.tarifflabo.com/ を開発、公開。現在に至る。