米国トランプ政権 カナダからのアルミ輸入に対し10%の追加関税復活 !
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米国トランプ政権は、カナダからの非合金アルミアルミ塊輸入に対し2020年8月16日から10%の追加関税を課す予定です。2019年6月から2020年5月に、カナダからの非合金アルミニウム塊(HTSコード7601.10)の輸入がそれ以前の12カ月と比較して86%増加したことがその理由とされています。したがって、2019年5月に一度撤廃された追加関税が復活する形になります。
2019年5月に米国は追加関税を撤廃
米国は2019年5月17日、通商拡大法232条に基づくカナダ、メキシコ産鉄鋼・アルミニウムへの追加関税を撤廃(鉄鋼は25%、アルミニウムは10%の追加関税)しました。それを受けて、カナダ、メキシコは同措置に対応した報復関税を撤廃することで合意していました。
(参考)米国の通商拡大法232条について
米国通商拡大法232条
ある産品の米国への輸入が米国の国家安全保障を損なうおそれがある場合、関税の引き上げ等の是正措置を発動する権限を大統領に付与する規定
撤廃の際に掲げた条件
2019年5月の追加関税撤廃の際に、米国は下記を条件に掲げていました。
・市場シェアを考慮して、ある期間にそれまでの貿易量を超えて、アルミニウムまたは鉄鋼の輸入が大幅に増加した際には、輸入国は輸出国との協議を要請できる
・輸入国は、急増した個々の製品に関して、鉄鋼については25%、アルミニウムについては10%の関税を賦課できる
非合金アルミ塊10%追加関税(2020年8月16日〜)
2019年6月から2020年5月の米国でのカナダからの非合金アルミニウム塊(HTSコード7601.10)の輸入がそれ以前の12カ月と比較して86%増加していることから上記条件に該当するとし、米国トランプ政権は、米東部時間8月16日午前0時1分以降、カナダからの非合金アルミ塊輸入に対して10%の追加関税を課すとする大統領布告に署名しました。
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