「付加価値基準」による原産性はどのように証明すればいいの?
- 2019.10.19
付加価値基準によって原産性を証明する場合、下図のようなワークシートを作成して、「控除方式」、「積み上げ方式」、「非材料費からのアプローチ」のいずれかから、もっとも簡便な方法によって、閾値を超えるか否かを検討する必要があります。
FTA・EPAを活用すれば、関税を削減できます!
付加価値基準によって原産性を証明する場合、下図のようなワークシートを作成して、「控除方式」、「積み上げ方式」、「非材料費からのアプローチ」のいずれかから、もっとも簡便な方法によって、閾値を超えるか否かを検討する必要があります。
付加価値基準とは、産品の生産過程において、その国で十分な価値(付加価値)が加えられた場合、その産品を当該国における原産品として認めるルールです。なお、付加価値基準はVAルール(Value Added)と一般的に言われますが、各EPAやFTAで呼び方が変わる場合があるので注意が必要です。
累積(Accumulation)とは、「最終生産品の生産過程でFTAやEPAの締約相手国の原産品を材料として使用した場合、この原産品を自国の原産材料として計算することができる」という考え方です。
ある部品で全体に占める割合が小さいにも関わらず、当該部品のHSコードが産品のHSコードと同じために、関税番号変更基準の要件を充たさない場合の救済措置として、ある一定割合の非原産材料に対して、関税番号変更基準の評価から外して考えることができます。これを「僅少の非原産材料(デミニマス)」といいます。
昨日は、「関税番号変更基準」の定義について説明しましたが、ではそれをつかってどのように原産性を説明すればいいのかをお話ししたいと思います。
関税番号変更基準(CTCルール)とは、非原産材料のHSコードとそれから生産される産品のHSコードが異なることとなる加工や組み付け(=生産)が行われれば、その作られた産品を原産性ありと判断する基準です。つまり、使用する備品や材料が原産品ではなく、第三国からの輸入品であったとしても、この関税番号変更基準を充足すれば、その産品は原産資格を認められます。
原産品判定基準の1つ「加工工程基準」とは、締約国内である特定の生産・加工工程が実施された場合に、その産品の原産性を認めるルール(SPルール)です。繊維製品や一部化学品等にこの基準は使われることが多いです。
原産品の3つの種類の3つ目「非原産材料を用いて生産される産品」についてその原産品判定基準についてご説明します。ちなみに、この「非原産材料を用いて生産される産品」にほとんどの産品が属すると言っても過言ではありません。
2019年10月4日に「原産材料のみから生産される産品」の原産性の判定基準は、「締約国の原産材料のみから締約国において完全に生産される産品」であることを示す必要がある旨お伝えし、その中で「締約国の原産材料からのみから生産される」と「完全に」の意味を記載しました。今回は、それをどのように証明すればいいか、についてお伝えしたいと思います。
2019年10月2日の原産品の3つの基準の2つ目「原産材料のみから生産される産品」とは、「締約国の原産材料のみから締約国において完全に生産される産品」と定義されています。ここでいう、「締約国の原産材料のみから生産される」とはどういう意味でしょうか? また、「完全に」とはどういう意味でしょうか?